傷ついたはずで自分も傷ついて朝起きるたび剥がれるうろこ

 

蒔くことを忘れた花の種のようにこのせつなさは春に咲かない

 

存在を認めてもらうためだけに勉強をする子供の夕暮れ

 

晴れた日は虹をつくろうたくさんの水で心を洗っておこう

 

せつなさを語りつづけたサボテンに見たことのない花が咲いたよ

 

ぐじゅぐじゅと指沈み込む桃の実の不安が夜の電話を伝う

 

みずいろの絵の具が滲んで僕はまた淋しい恋をしようとしている

 

点滅の蛍光燈はこんなにもひとりの夜を淋しくさせる

 

最上階には青空が待っているエレベーターのやってくる音

 

早口で悩みを語る自分にも負けないために噛んでるミント

 

祈りさえ歪んだままで届かない僕たちはただ空を見上げた

 

君たちが言わなくなれば死語になる 戦隊ヒーロー正義を叫べ!

 

コールドゲームばかり見ていたあの夏の電車の音が通り過ぎゆく

 

耳元でぱちんとはじける音がして君との恋が始まってしまった

 

真夜中の涙と同じ色だろうしあわせを呼ぶ鳥の翼は

 

補助輪をはずしてこぎだす瞬間の不安 二十歳の誕生日来る

 

長い長い暗闇の中走り抜け気づけばいろんなものを壊した

 

あなたには伝えられないものがあり暗闇のなか鳴り響くベル

 

まんなかに黒い種抱く向日葵はだからあんなに光るのだろう

 

天からの恵みのように降ってくる枯れ葉の多さに火をつけていた

 

君とした雪合戦のあの雪の白さを超えるものはまだない

 

距離感は失ったまま   じょうきゃくはあたしひとりのバスにゆられて

 

二十歳にもなったしお伽噺にはできないようなことをしようよ