「童話・掌編小説・短編小説」


「海色の蟹」

ヘンデルとグレーテルが空にまいた光る星の下に、蟹がいた。
蟹は小さくシャカシャカっと言った。



「吉田さんの落とし穴」

この街だけ見てもすごい数のマンホールがある。日本全体で、世界全体ではいったい
どれほどの数になるのか。
それだけの数の穴が道に開いているというのに、どうして、落とし穴がないのだろう。




「逃げられないサカナ」

そんな普通の、どこにでもあるようなシュチエーションだったから、私は彼女の言ったことが理解できなかった。
 「あたし、さっきまで人魚だったの」